![]() |
赤と青の2色印刷 |
一番簡単な例としては、黒1色のモノクロ印刷の中に重要な部分だけ赤で示すやり方。
または、赤と青で印刷するとカラフルな感じになります。
とてもシンプルで分かりやすいですが、実は2色でももっと様々な色が使用できます。
それは、それぞれの色に濃淡をつけられるからです。
赤と青でも、薄い赤、もうちょっとだけ濃い赤、薄い青など色々考えられます。
更に、両者の掛け合わせで、紫のような色も作れます。掛け合わせでも、片方を薄くしたりすればもっとバリエーションが増やせます。
![]() |
シアンとマゼンタ |
右の例は、シアンとマゼンタの2色印刷です。シアンとマゼンタというのはカラー印刷に際に使う原色のことで、ピンクのような色と水色のような色です。
注目は上部の写真です。2色印刷なのに、一瞬カラーかと思うような感じになっています。写真も2色の様々な掛け合わせで表現しています。
当然ながら、カラーっぽく見えるだけでカラーではありません。緑とか黄色とか黒の色はありません(使えません)。あくまシアンとマゼンタの掛け合わせて作れる色しか使えないわけです。
しかし、人間の目は不思議なもので、葉っぱの部分は何となく緑っぽく見えますし、梨も黄色っぽく見えますよね。目と脳で勝手に補正しているんです。
![]() |
赤と緑の2色印刷 |
これも2色印刷で、赤と緑で印刷しています。
これなどは、まるで本当にカラーのようです。カラーでないまでも2色以上見えると思います。
一番目立つ色として茶色がありますし、よく見ると黒もあります。しかし2色印刷なのです。
赤と緑の掛け合わせのカラーチャートを示しておきます。赤と緑の他に様々な色が作れることが分かりますが、やはり青とか黄色のように関係のない色は作れません。
カラーチャートは、一番上の横が赤のみの色。「10」とか「100」の数字が濃度のパーセンテージです。一番左の縦が緑のみで、やはりパーセンテージが示してあります。
一番上と一番左以外が両者の掛け合わせです。一番右下が赤と緑を100%で掛け合わせた場合の色で、この2色印刷で一番濃い色になります。黒に見えていたのはこの色です。
この例では緑や茶色を使いたかったので、この2色を選びました。
効果的な色の選び方で、また違った雰囲気になるのでちょっと難しいところでもあります。
最後にデメリットも示しておきます。
例えば赤と緑の例で言うと、明朝体のような細い黒い文字の多用は出来ません。
黒は2色両者の掛け合わせで作りますので、理論的には可能ですが、実際には、印刷のほんの少しのズレで読みにくくなってしまい、たくさんの小さな明朝体があるような場合は読む気がなくなってしまいます。太い文字やイラストの場合は大丈夫です。