2006年3月3日金曜日

アナログ製版

今回は弊社自慢の(?)アナログ製版の紹介です。

印刷業界は10年ちょっと前からデジタル革命が起きて、製版のデジタル製版になりました。弊社もしっかりデジタル化しました。
パソコンと専用ソフト(Quark XPress、Adobe Illustrator、Adobe Photoshopの3種の神器)を使って、一気に製版します。それぞれの互換性(特にフォント関係)で問題が起こり、予期せぬ結果になってしまい、印刷してから気づくなんていうこともありました。
現在ではそういうことはなくなりました。

アナログ製版は全然違っていて、デジタルより工程が多くて大変です。
まず版下を作ります。せっかくなので紙に書いたりして手作り感があると嬉しいです。

製版カメラ(右の台にフィルムを乗せ、空気で
吸引しながら扉のように回転させ中央に逆さに
セットの後、露光ボタンを押すと下の版下に
光が当たり、設定秒数だけ露光します)
次にその版下を製版カメラで撮ります。普通のカメラとはだいぶ違い、大きくてとても持ち上げられません。暗室に設置してあります。そしてネガフィルムに写します。
拡大率等により露光時間が変わりますが、機械的に計算すれば良いものでもなく、露光が多いと細い字、薄い字が消えて(飛んで)しまい、露光が少ないと太い字やイラストが潰れたり、白い部分がゴミだらけになったりします。

適切な露光で撮影したら、それを自動現像機に入れて現像します。これは機械が全部やってくれます。
機械の中身は3層になっていて、最初は30度に温めた現像液の層、次は定着液、最後は水で洗浄します。その後、熱せられたローラーの間を通り、乾燥されて出てきます。
現像液と定着液は下のタンクに貯ためてあって、減ってきたら適切な量の水と混ぜて補充します。

ネガフィイルムをオペークしているところ
その後出来たフィルムをオペークします。
オペークとは、写り込んでしまったゴミを取る作業です。ネガフィルムなので、白い部分は黒くなって出て来ますので、白く(透明に)なっている余計な部分を塗りつぶします。オペーク液という光を通さない茶色いものを筆で塗ります。ライトテーブル(下が光る)で光が漏れる部分を見つけます。

昔はこの後、更なる加工がありました。網入れです。
別のフィルムに複製をとって、網を入れたい場所だけ光が通るものを透明ベース(透明フィルム)で作り、網フィルムを挟んで、その複製に焼き込み、現像します。
結構面倒な作業だったので、これをやらなければならないものは今は最初からデジタル製版にします。

PS版の焼付機
そしてようやく最後の工程。
出来上がったフィルムをPS版(印刷用の版)に焼き付けます。
焼き付け機で数分焼き付けたら、また現像です。
フィルムとは別の現像液と現像方法になります。

これで完成です。

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