あれから3号制作しました。
15号は2006年発行、15作品、88ページ。紙面が足りなくなって、唯一裏表紙にあとがきが書いてある号です。
16号は2007年発行、16作品、95ページ。
そして17号は2008年発行、15作品、73ページです。
今回も1作品の感想を書きたいと思います。沢山あるのでどれにしようか迷いましたが、16号の大久保律子さんの『おスヱさん』にしました。
時代は戦前・戦後で、主に主人公・琴子とおスヱさんとの物語。若い琴子と気性の激しいおスヱさんの対比だが、時代背景も相まって厳しく重い空気感の中で話しは進んでいきます。しかし、ラストは一気に時代が進んだ現代で「おスヱさん!!。既に時効ですよ。みーんな許していますよ」の一言がとても重く響く。いつまでも恨みつらみを言わずにスッキリしたいというのもあると思いますが、その一方で「許す」と言いつつもその大きさを感じさせ、時間の流れの無情さも感じさせる一言に、こちらも思わず考え込んでしまうような気持ちになりました。
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